村社 久谷八幡神社
Contents
概 要
社号 久谷八幡神社
読み:くたにはちまんじんじゃ
所在地 兵庫県美方郡新温泉町久谷字宮谷
旧地名 但馬国二方郡久斗郷
御祭神 八幡神(応神天皇)
摂社兵主神社 須佐ノ男命
例祭日 久谷ざんざか踊り 9月15日
毎年9月15日に行われる久谷八幡神社の秋祭り。五穀豊穣、氏子安全を願い行われます。室町時代から始まったとされ、五色紙のついた傘をかぶり、締太鼓をつけた地元の中高生により奉納されるため、別名「太鼓踊り」とも呼ばれています。唄詞の容姿から室町時代末頃までに成立したものと考えられている。久谷八幡神社のざんざか踊りは、但馬の中でも古い形態が現在まで伝えられている。県無形民俗文化財に指定されています。
社格等
古代社格制度『延喜式神名帳』
式外社
近代社格制度 旧村社
創建 年代不詳
本殿様式
境内摂社(祭神)
文化財
「久谷八幡神社棟札」 町指定文化財・古文書
「久谷八幡神社のざんざか踊り」 県無形民俗文化財
「八幡神社社叢常緑広葉樹林」 町指定文化財・天然記念物
一口メモ
鳥取からの帰路、浜坂の芦屋城跡を訪ねるつもりでいたけれど、今回は久しぶりに、178号を通って新しくなった余部鉄橋も見たくて、浜坂から香住までの神社を探すことにした。この八幡神社は但馬でも立派な八幡神社だと以前から知っていたが、イヌシデとスダジイが兵庫県の郷土記念物だということはあとで知った。
あまり参拝者がいない方がいいと思うので教えたくないほど参道は一面苔むしていてビロードを敷き詰めたように神秘的で荘厳さが漂う。
歴史・由緒等
久谷八幡神社は、「九斗の庄の一の宮」とも呼ばれ、棟札によると以前は蓮台山上にあり、以前は蓮台山上にあり、応永21年(1414)8月、現在の場所に移された現在の場所に移されたと伝えられています。
八幡神社には、「寛正4年(1463)」と「天文11年(1542)」の社殿葺き替えの棟札が残されており、いずれの棟札も八幡神社の由来を知る貴重な文化財です。
由 緒
創立年月不詳
山城国石清水八幡宮より分霊を勧請すと伝う。
初め蓮台山の嶺に鎮座せしも応永年間(1394~1427)社殿を改造し同21年(1414)現在地に遷したり。
永正17年(1520)鳥居を再建せり。
嘉永5年(1852)社殿を再建し、明治6年(1873)10月村社に列せらる-「兵庫県神社庁」-
『国司文書 但馬故事記』(第八巻・二方郡故事記)
人皇三十七代孝徳天皇二年五月、
二方国造真弓射早彦命に勅して、当国の甲冑および弓矢を広い場所に収め、兵庫(やぐら)を作り、軍団を設けさせる。
(中略)
当国の大穀・竹田連面沼は、
葦田首道雄を召して、刀剣鉾族を鍛えさせ、
楯縫連美佐雄を召して、楯を縫わせ、
矢作連媒鷹(やはぎのむらじをたか)を召して、弓矢を作らせる。
その物が完成すると兵庫に収む。これにおいて、兵主神を祀り、軍団の守護とす。これを射所兵主神社と云う。*1
人皇四十五代聖武天皇の天平十九年冬十月、二方軍団を廃し、健児所(こんでい)とす。健児所を二方郷に遷し、健児(ケゴ)5人を置き、兵庫および鈴蔵を守らせ、二方首大井麿をもって健児所判官と為す。(註:二方郷 浜坂町岸田川東岸)
二方首大井麿は、兵主神社を兵庫丘に祀る*2。
人皇四十六代孝謙天皇天平勝宝五年秋七月、従六位下・榛原公照来の子・従七位下・榛原公長麿をもって、二方大領*3に任ず。
第五十二代嵯峨天皇の弘仁元年夏五月、
大いに軍事を奨め、健児を増やす。これによってか、また兵主神を祀り、これを指杭兵主神社と云う。(美方郡新温泉町指杭)
註*1 兵主神社を兵庫丘に祀る。
二方郡(今の新温泉町)には兵主神社が4社
兵庫県美方郡美方郡新温泉町湯1560-2 八幡神社境内末社兵主神社「大己貴尊」
兵庫県美方郡新温泉町田井字村中448 兵主神社「素戔鳴尊」
兵庫県美方郡新温泉町指杭字御城338 兵主神社「素戔嗚命」
兵庫県美方郡新温泉町久谷字宮谷 八幡神社摂社兵主神社「須佐ノ男命」
註*2
郡司(ぐんじ、こおりのつかさ)は、中央から派遣された国司の下で郡を治める地方官である。国司と異なり、郡司は、旧国造などの地方豪族が世襲的に任命され、任期のない終身官であった。長官に相当する大領、次官は少領、判官は主政、主典は主帳と呼ばれた。
但馬(兵庫県北部)には他では神社が少ない兵主神社が多いが、八幡神社は全国的にも稲荷神社とともに多く但馬にも多い。兵主神、八幡神ともに武神として兵庫の軍団や中世の武士に崇敬され石清水八幡宮より勧請されている。
竹田連面沼とあるので面沼神社のある竹田辺りに最初の兵庫が置かれたのだろう。元の射所兵主神社は、新温泉町湯 八幡神社辺りだろう。
境内・社叢
6月という時期もあってビロードを敷いたように苔むした美しい参道
ビロードのように苔むした参道は、感動的だ。
手水舎
左右の狛犬
本殿覆屋
地名・地誌
地 図
交通アクセス
周辺情報
「八幡神社社叢常緑広葉樹林」
久谷八幡神社の周囲には、大小の差はあれ、常緑広葉樹が群生しており、スダジイ・ヤプツバキ・シダ・サカキなどの暖帯性の樹木が多く茂っています。また、イヌシデとスダジイは、兵庫県の郷土記念物にも指定されています。
イヌシデは県下一の巨木といわれています。
スダジイは二本株立ちで、一本は枯れ込んでいますが、苔むしカズラを着生させ母なる大樹の精すら感じられます。
昭和54年3月3日 町指定文化財・天然記念物
新温泉町ガイドより
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